「取り消し」と「償却」

最近、カーボンオフセットがらみのサービスの計画があって、このシステム自体はシンプルなものなのですぐにでも公開できそうなのだが、個人的にも興味が会ったのでカーボンオフセットプロバイダー(簡単に言うとCO2排出権の問屋さん)さんにいろいろとしつこく聞いてみた。

「取り消し」と「償却」

実はカーボンオフセットを行うには、「取り消し」を行うか「償却」を行うかのどちらかを選択する必要がある。

もし、カーボンオフセットをする際に、それについて触れられていなければ、よほど怪しいか、もしくは、そのカーボンオフセットプロバイダーのポリシーによって自動的に「取り消し」か「償却」が行われていることになる。

「取り消し」とは?

日本以外の国家や企業が行うCo2削減プロジェクトに投資を行うことで、削減されたCO2を自分自身(あなたが投資したならあなた自身)で削減したものとしてカウントすること。

つまり、この場合、実際にCO2削減プロジェクトを行う側は、「CO2を削減しましたよ」とは言えないので「取り消し」という。

この時点で賛否はあるだろうが、お金のない国に投資をすることで、当初は火力発電所になる予定だったものが水力発電にかわれば、現実にCO2は削減されるので、投資先がしっかりしていれば、実際にCO2は削減されると言える。

ただし、この場合、皆さんが知っておくべき重要なポイントがある。

実は、「取り消し」を行うと「京都議定書の枠組みで定められた日本政府の達成目標に貢献しない」ことになる。

「償却」とは?

償却とは、オフセットしたCO2排出権を日本政府が行ったものとして、譲渡することを言う。

わからないですよね?

簡単に言うと、あなたがオフセットしたCO2を日本政府がオフセットしたものとして譲渡してしまうため、「あなた自身はCO2を減らしたことにはならない」ということ。

だが、ここでも重要なポイントがある。

実はこの場合が京都議定書で定められた日本政府の達成目標に貢献したことになるのだそうだ。

つまり、京都議定書の6%という努力目標はあくまでも日本政府や自治体の活動に対するものであって、民間ははじめからカウントされていないのだ。

この仕組みの問題点

このあたりは、以下のサイトが詳しい。

http://tco2.com/app/com/page/FrequentlyAskedQuestion.action

引用すると以下のような感じ。

償却について

日本国が温暖化ガスの削減を行うことに貢献をしたのであり、個人としては、京都議定書の枠組み、もしくは海外の人から見た場合に、温暖化ガスの排出を追加で減らしたわけではないことを理解しています。

取り消しについて

京都議定書の枠組みから見た場合に、温暖化ガスの排出を追加で減らしたことにはなりますが、日本国の目標達成には貢献していないことを理解しています。

つまり、償却してしまうと本来政府や自治体が自身の努力でCO2削減を行うべきところを、民間がせっせとすることで、彼らは努力する必要がなくなり、現実的には日本全体としてのCO2排出量は削減されない可能性があるのだ。

現状、新総理が25%うんぬんといっているが、彼がどういう方法論でこの目標をかたっているのか?興味深いところである。

では、どっちがいいのか?

これは、わからない。

というのは、現実的に減らしたいという目的で「取り消し」をみんなが選択して、努力目標に届かなかった場合、最終的に膨大な税金が投入されて結果的に国民が負担することになる。
(ましてやハトポッポは25%っていってるし。)

一方で今の時点で「償却」を選択しても、努力するべき人たちが努力しないで現実的にはCO2が減らなかったことになるかもしれない。

実は現時点で電気事業連合会の努力により(?)6%の達成はめどが立っているという話もあるし、本当に難しい問題だとは思うが、情報が不十分であることは間違いないと思う。